重賞データcheck
 今週は土曜日に札幌2歳S、京成杯オータムH、日曜日にセントウルS、紫苑Sと秋のG?を占う4重賞が行われる。そこで、過去のデータからこれらの重賞レースの傾向を占う。
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第60回 札幌2歳S(G3)

9月6日(土) 札幌競馬場 芝1800m

 一時はJRAの2歳世代にとって最初の重賞競走として親しまれていたこともある札幌2歳S。1997年に北海道の開催順が札幌→函館から、現在と同じ函館→札幌になったことで9月末〜10月初旬に移動。同時に芝1800m戦となった。その後、開催期間の短縮に伴って現在は8月下旬〜9月上旬に行われている。
 夏競馬の新馬戦といえば1200m以下ばかりだった時代から変わり、1600m以上のレースも増えてきた中で距離が1800mに延長されたこのレース。古くは後のダービー馬・ジャングルポケット、近年では2020年ソダシや21年ジオグリフがここで優勝し、翌年のクラシックで結果を出している。今年ここを制し、世代トップ争いに名乗りを上げるのはどの馬か。過去の傾向を分析してみよう。
過去のデータをCheck!

チェック1穴馬の好走は少ないが……

 過去10年、1番人気【3.1.3.3】など連対馬20頭中19頭は6番人気以内。3着馬はすべて8番人気までに収まっている。上位人気では2、3番人気が今ひとつの感もあるが、その分4〜5番人気が計【2.5.2.11】と7連対しており、上位人気全体としては悪くない印象だ。3連単の配当はここ5年続けて3万円未満に収まっている。ただ、出走頭数がさほど揃わない中で5番人気、6番人気というあたりが好走していたりもするため、候補をあまり絞ってしまうと「抜け」が生じやすく注意したい。
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【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-1-3-3 30.0% 40.0% 70.0%
2 2-0-2-6 20.0% 20.0% 40.0%
3 2-1-0-7 20.0% 30.0% 30.0%
4 0-4-1-5 0.0% 40.0% 50.0%
5 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
6 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
7 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
8 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10 0-1-0-8 0.0% 11.1% 11.1%
11〜 0-0-0-27 0.0% 0.0% 0.0%
【上位馬の人気と主な配当(過去10年)】
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
出走頭数 14頭 13頭 14頭 14頭 12頭 14頭 9頭 14頭 10頭 12頭
1着人気 2 5 1 6 5 2 1 1 3 3
2着人気 1 10 4 4 3 5 4 6 4 6
3着人気 8 7 7 1 2 1 5 4 2 1
単勝 570円 970円 300円 2,820円 2,940円 470円 210円 420円 680円 430円
馬連 880円 18,120円 1,760円 8,770円 6,890円 2,360円 960円 2,040円 2,060円 4,070円
馬単 2,110円 30,290円 2,670円 23,600円 20,480円 3,920円 1,470円 3,780円 4,050円 5,650円
3連複 5,810円 89,480円 9,330円 6,320円 6,720円 3,060円 2,770円 5,620円 2,370円 4,100円
3連単 26,990円 501,710円 33,770円 87,570円 89,460円 17,670円 11,510円 26,540円 16,700円 26,070円

チェック2オープン特別組は経験も重要

 前走クラス別にみると、オープン特別組は【1.3.3.18】と少し勝ち切れないが複勝率28.0%は新馬・未勝利戦組より高い。好走した7頭は表の通りで、コスモス賞・クローバー賞の連対馬が大半だ。また、新馬勝ち→オープン連対とすんなりきた馬はドゥアイズ1頭のみ。地方競馬で何戦か積んできた馬や、中央馬でも新馬戦を勝てなかったような馬が経験を積み、ここで好走しているケースが目立つ。オープン特別組は上位人気に支持されるケースが少ないため、穴党なら特に注目したい。
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【前走オープン特別からの好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走レース 前走人気 前走着順 2走前
2015 クロコスミア 8 3 コスモス賞 3 4 未勝利1着
2016 トラスト 5 1 クローバー賞 1 2 地方1着
ブラックオニキス 10 2 クローバー賞 3 1 未勝利1着
2017 ダブルシャープ 7 3 クローバー賞 6 1 地方2着
2018 ナイママ 4 2 コスモス賞 3 1 地方2着
2021 トーセンヴァンノ 5 3 コスモス賞 4 1 函館2歳S6着
2022 ドゥアイズ 6 2 コスモス賞 3 2 新馬1着

チェック3新馬・未勝利戦組は勝ちっぷりがポイント

 前走新馬戦組は【5.4.7.51】複勝率25.0%、未勝利戦組は【4.2.0.25】同19.4%。表には新馬戦組過去5年の好走馬を掲載しており、芝1800m戦で0.2秒以上の差をつけて勝ち上がってきた馬が多い。またオープン特別組に比べ、このレースで人気になっている馬も明らかに多くなっている。未勝利戦組も傾向に大差はなく、過去10年の好走馬6頭中5頭は前走芝1800m、同じく5頭は0.2秒差以上で1着だった。
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【前走新馬戦からの好走馬(過去5年)】
馬名 人気 着順 前走距離 前走人気 前走着順 タイム差
2020 ソダシ 2 1 芝1800m 3 1 0.4秒
ユーバーレーベン 5 2 4 1 0.0秒
バスラットレオン 1 3 1 1 0.4秒
2021 ジオグリフ 1 1 3 1 0.2秒
2022 ダイヤモンドハンズ 4 3 芝1600m 1 1 0.2秒
2023 パワーホール 4 2 芝1800m 6 1 0.7秒
ギャンブルルーム 2 3 4 1 0.9秒
2024 マジックサンズ 3 1 1 1 0.3秒
アルマヴェローチェ 6 2 2 1 0.0秒
ファイアンクランツ 1 3 3 1 0.2秒

チェック4札幌芝追い切り馬は1ハロンの時計がカギ

 パソコン用調教分析ソフト「競馬道 調教マスター」で過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、好走馬の大半は札幌芝で追われており、その他は札幌ダートと門別での追い切りだった。
 札幌芝コースでの追い切り馬は、ラスト1ハロンのタイムに注目。12.1秒以下なら【8.4.3.36】と8勝を挙げているのに対し、12.2秒以上を要すると【1.5.1.22】と勝ち切れなくなっている。複勝率ではさほど差はなくなっているが、1着候補を探る際にはラスト1ハロンの時計に注目したい。なお、札幌ダート追い切り馬は、3ハロンの時計が39.6秒以上になると苦戦必至だ。
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【主な追い切りコース別成績(過去10年)】
コース 条件 成績 勝率 連対率 複勝率
札幌芝 9-9-4-58 11.3% 22.5% 27.5%
1ハロン12.1秒以下 8-4-3-36 15.7% 23.5% 29.4%
1ハロン12.2秒以上 1-5-1-22 3.4% 20.7% 24.1%
札幌ダート 1-0-5-29 2.9% 2.9% 17.1%
3ハロン39.5秒以下 1-0-5-14 5.0% 5.0% 30.0%
3ハロン39.6秒以上 0-0-0-15 0.0% 0.0% 0.0%